イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 うそ。今、三原くん……西森さんって言った?


 いや、もしかしたら聞き間違いかも。


「おい、西森! 三原から指名されたけど、どうだ?」


 先生がわたしに聞くのと同時に、クラスメイトの視線が一斉にわたしへと向けられる。


 えっ、え……やっぱり三原くんが言ってたのって、わたしだったの!?


 でも、なんで!? わたし、結局手をあげていないのに……。


「西森、実行委員やってくれるか?」

「えっと……はい。やります」


 この状況で、わたしの性格上、断るなんてことはもちろんできなくて。


「よろしく、西森さん」


 爽やかな笑みをこちらへ向けてくる三原くんに、わたしは戸惑いながらも微笑み返す。


「う、うん。こちらこそよろしくね、三原くん」


 こうしてわたしは、三原くんと一緒に遠足の実行委員をすることになってしまったのだった。


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