イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「そんなこと言ってもダメ。どうせ、他の彼女にも言ってるくせに。そんなお世辞は、わたしには通用しないんだから」
「は? お世辞じゃないし。依茉は、めちゃくちゃ可愛い」
そんなセリフを恥ずかしげもなく、サラッと言えちゃうなんて。さすが、彼女が絶えないだけあって慣れてるなぁ。
「つーか、前の卵焼きも美味かったけど。このオムレツも、すげえ美味い」
「えっ、ほんと?」
「うん」
だけど、自分の作ったものを一堂くんに『美味い』って言ってもらえると嬉しくて。
「依茉って、料理上手なんだな。今度作ったら、またちょうだい?」
こんなふうにニッコリと微笑んでもらえると、すぐに許してしまいそうになる。
それから少しして、わたしのスマホに三原くんから着信があった。
昼休みにわざわざ電話なんて、どうしたんだろう。
「電話、三原から?」
わたしのスマホの画面に表示された三原くんの名前を見て、一堂くんが眉をひそめる。