イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「うわーっ、どうしよう。めちゃめちゃ恥ずかしい」
頬が一気に熱くなるのが、自分でも分かる。
「ああ……今すぐ、ここから走って逃げたい」
慌てて席から立ち上がるわたしを見て、一堂くんは「くくくっ」と笑う。
「まあ、嘘だけど」
「へ、うそ!?」
「ああ。俺らの席って、けっこう離れてるから。さすがに聞こえるわけないじゃない」
う、嘘だったなんて……!
「焦って損した。ていうか、人のことをからかうなんて一堂くんひどいよ!」
「ごめんごめん。これあげるから、許して……?」