イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない

︎︎︎︎◇一堂くんと三原くん



 数日後。


 ああ、今日もようやく1日が終わったぁー。


 この日の授業が終わり、ようやく家に帰れると解放感に浸っていたとき。


「おーい。遠足の実行委員! 遠足の資料の作成頼むわ」


 担任の先生が、大量のプリントを教卓にどさっと置いた。


 ええっ。遠足の資料の割には、何だか量がめちゃくちゃ多くない!?


「あと、遠足のしおりのコピーもな。どちらも今日中に! いいか? 頼んだぞ」


 早口で言うと、先生は教室を出て行った。


 う、うそでしょー!?


 帰る気満々だったわたしは、膝から崩れ落ちそうになる。


 もう! 先生たちって、大変な仕事を生徒に頼みすぎだよ……。


「はぁー。でも、しょうがない。これも委員の仕事だし、やるしかないかぁ……あれ。でも、印刷室ってどこだっけ」


 教卓に置かれていたしおりの原本を手にしたものの、印刷室の場所を知らないことに気づく。


「……貸して?」


 落ち着いた声が聞こえたのと同時に、持っていた原本を後ろから誰かに取られてしまった。


< 81 / 295 >

この作品をシェア

pagetop