イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「みっ、三原くん!」
「僕、印刷室の場所知ってるから。これ、僕がコピーしに行ってくるよ」
振り返ると、わたしの後ろには三原くんが立っていた。
「えっ。でも、三原くん一人に任せたら悪いよ」
「いいって。印刷室は教室からだとちょっと遠いし。西森さんは、ここで待ってて」
三原くんはわたしの頭をポンポンッと優しく撫でると、しおりの原本を手に颯爽と教室を出ていく。
彼は、お金持ちの家の御曹司ってことを忘れてしまいそうなくらい、いつも率先して動いてくれて。
この間だって、わたしが先生からクラスメイト全員分の課題ノートを職員室まで持っていくよう頼まれて一人で運んでいたら。
『大丈夫? 手伝うよ』って声をかけてくれて。一緒に運んでくれたんだよね。
「ほんと、良い人だなぁ。三原くん」
彼の優しさに触れ、わたしは自然と頬がゆるむ。