イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


「……ちょっと依茉。さっきからニヤニヤしすぎ」

「へ? あっ……いたた」


 わたしは一堂くんに、むにっと頬を引っ張られる。


「ちょっ、いひゃい。いきなり何するのー!?」

「にやけてた依茉が悪い。そんなとこに突っ立ってないで、さっさと実行委員の仕事しなよ」

「なっ……! 一堂くんに言われなくてもしますってば」

「……」


 わたしの言葉を無視して、教室を出ていく一堂くん。


 もう、何なの!? いきなり人の頬を引っ張るなんて、嫌がらせ!?


 一堂くん、意味がわからない。


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