イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 それから少しして三原くんが印刷室から戻ってきたので、今は彼と誰もいない教室で遠足の資料のホチキス留めをしている。


 ──パチン。


 2枚のプリントを重ねて、それをホチキスで留める。ひたすら、この繰り返し。


 特に会話することもなく、しばらく無言で作業するわたしたち。


 教室の開いた窓からは優しい風が吹き込み、時折白いカーテンが揺れる。


「……ねぇ、西森さん」


 不意に名前を呼ばれプリントから視線を上げると、向かい合って座る三原くんとばちっと目が合ってしまった。


 真っ直ぐ向けられた眼差しに、胸の鼓動が跳ねる。


「どっ、どうしたの? 三原くん」


 イケメンにあまりにもじっと見つめられると、心臓に悪い。


「あのさ、前から聞きたかったんだけど。西森さんって……一堂センパイと付き合ってるの?」


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