イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


「えっ!? なっ、なんで?」


 突拍子もない質問に、思わず声が裏返る。


「いや……西森さん、最近あの人と学校でよく一緒にいるから」

「あー……」


 確かに。最近は昼休みにご飯を食べるだけでなく、一堂くんは教室でもわたしに話しかけてくることが増えた。


「えっと、うん。一応付き合ってる……かな」


 わたしってば、つい『一応』って言っちゃった。

 だって、付き合ってると言っても、一堂くんとは仮のカップルだから。


「へぇー。あの人が、西森さんの彼氏……」


 平凡なわたしと、一堂グループの御曹司が付き合ってるだなんて。


 もしかして、不釣り合いだって思われたかな?


「……なんか二人って、全然似合ってないよね」


 三原くんの言葉に、胸がチクッと痛む。


 やっぱり……。


「ははっ。そうだよね」


 わたしは、三原くんに苦笑いすることしかできない。


 ていうかわたし、似合ってないって三原くんに言われて、今ちょっとだけ傷ついた?


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