イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
「依茉の彼氏は、俺だろ? 今、他の奴のことなんか考えんなよ」
いくら仮に付き合ってると言っても、こんな強引なキスなんて嫌なはずなのに。
相手が一堂くんだと拒めなくて、受け入れてしまう。
最初は、触れるだけのキスが何度も繰り返されていたけれど。
次第に荒々しいキスへと変わり、開いた唇の隙間から一堂くんの舌先が侵入してくる。
「依茉が、俺のことしか考えられないようにしてやりたい」
「……あっ」
「今は、俺に集中して」
「んんっ……」
慣れない深いキスに、息が苦しくて。わたしは唇を離そうとするが、一堂くんがそれを許してはくれない。
「三原となんか、仲良くすんな。依茉にはいつも、俺だけを見ていて欲しい」
まさか、あの一堂くんがそんなことを言うなんて……。
「ねぇ。今日の一堂くん、なんだかちょっと変だよ?」
「だよな。こんなの、俺らしくないって自分でも分かってるけど。最近、依茉のことになるとどうも抑えられなくて」
真っ直ぐ向けられた眼差しに、胸の鼓動が跳ねる。
「ああ、やっぱり俺……好きだわ、依茉のこと」
長いキスのあと、ようやく唇が離れ、どこか独り言のようにポツリと言う彼。
「なぁ、依茉……これから俺、本気出してもいい?」