α様は毒甘な恋がしたい
うっ、嘘でしょ?
今まで気づかなかったけれど、戒璃くんのブレザーにシワが入ってる!
私がフェロモンの誘惑に負けて、顔をこすりつけちゃったせいだ。
どどどどっ、どうしよう……
気が動転した私。
掴まれていた戒璃くんの手をふり払いながら、立ち上がり
「本当にごめんなさい。クッ、クリーニングに出してくるね」
走りだそうとしたけれど
「今から?」
不機嫌そうに首を傾けられ、ハッ!
「あっ今お店に持って行っちゃうと、戒璃くんが着れなくなっちゃうか。職員室にアイロンはあるかな? なかったら家庭科室で借りて……クリーニングは放課後に……」
どうしたらいいの?
テンパりすぎて早口になっちゃう。
目がグルグル回っちゃう……