α様は毒甘な恋がしたい
親しみをもって微笑んでくれているのは、嬉しいけれど。
拒絶シールドを張られているような気も……
「紙、シワシワになっちゃってごめんね」
「……いえ」
「入会用紙、書けたら2年の十守孝里に渡して」
「ともり……こうり……くん……?」
それって、89盗のバンド担当の?
「孝里はキミと同じ高2だから。クラスが違っても、一緒のフロアに教室があるんだ」
「わかりました」
紙を受け取っちゃったし、私が生徒会室にいる理由がなくなっちゃった。
これで戒璃くんとバイバイだ。
今夜、番関係を解消されたら、戒璃くんのことはすべて忘れちゃうんだ……私。