α様は毒甘な恋がしたい

 来ちゃったし、3人一緒に。

 現れちゃったし。

 私がいるステージ端とは反対側の、ステージ袖に。

 祈さんからサプリらしきものを受け取って、ペットボトルの水と一緒に飲み込んでいる。


 ひゃっ! 

 さっそく私の瞳が捕まっちゃった。

 八神(やがみ)先輩、雷斗(らいと)先輩、風弥(かざみ)先輩、それぞれの真剣なまなざしに。


 イケメン芸能人オーラって、こんなに離れていてもまぶしいものなんだね。

 見つめ合うのは無理。

 目をそらしたくなちゃうよ。


 なぜかザワザワと込み上げてきた、恥ずかしさ。

 私は3人にペコっとお辞儀だけして、すぐにうつむいた。

 それなのに……


 私の耳に、ダダダと駆けるように近づく足音が飛び込んできて。

 予想外の出来事に、私の心臓が四方八方に飛び跳ねる始末。
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