α様は毒甘な恋がしたい
「あなたもアルファだもの。こんな近くで美心ちゃんのオメガフェロモンを吸い込んでいるんだから、美心ちゃんを襲いたくなる欲求が芽生えてしまって当然だわ」
「僕は絶対にオメガを襲わない! ハルヒを傷つけたアルファと、同類にはならない!」
「その強がり、いつまでもつかしら。孝里はせいぜい、ステージの上でおねんねしていてね」
「くっそー、こんな時に動けなくなるなんて……」
「さぁ美心ちゃん、いけにえになる時間よ」
えっ?
私が……いけにえ?
「大丈夫。理性を吹っ飛ばしているアルファたちに、うわーって襲われるだけだから」
ひゃっっ!
華奢な祈さんに、軽々とお姫様だっこで抱えられちゃった。
抵抗したいのに。
祈さんの腕の中から逃げ出したいのに。
体に力が入らない。
ジタバタすらできない……