α様は毒甘な恋がしたい

「うるさい! 10年以上前にビビっときたんだ、自分の後継者は戒璃しかいないと! それが間違っていたというのか!」

「戒璃はあなたよりも好きな子を選んだ。それが答えよ」

「許さん! 俺を裏切る奴は絶対に許さん!」


「ルキは悲しいのよね? 親代わりとして育ててきた戒璃には、自分の思う通りに生きて欲しいのよね?」

「違う!」

「ルキのことを、一番大事にして欲しいのよね?」

「違う、違う!」

「でもね、悲しみが憎しみに染まりきる前に、ルキは子離れをするべきよ」

「そんなんじゃない! 俺は戒璃を自分の思い通りに支配しようしてるんじゃない!」

「……ルキ」

「戒璃が悪いんだ。アイツは裏切者なんだ。だから俺は、あいつの一番大事なものを奪ってやる! 奪って、閉じ込めて、痛めつけて、戒璃に絶望を味合わせるんだ。そのためにも七星美心、復讐の道具としてオマエの心をめった刺しにさせてもらう」


 えっ? 私?

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