α様は毒甘な恋がしたい

「もうやめましょう、ルキ! あなたの悲しみは、私から戒璃に話すから。絶対にわかってもらうように、善処するから」

「俺はオマエのことも恨んでるんだ。オマエの言うことなど、絶対に聞かぬ」

「えっ? 待って、ルキ!」

「オマエと話していても、時間の無駄だ」

「お願い! 美心ちゃんを連れ行かないで!」


 部屋中に響く、祈さんの涙混じりの叫び声。

 気づいたら私は、背後からルキさんに羽交い絞めにされていた。


「七星美心。恨むなら、戒璃を恨めよ」


 悪魔のようなオドオドしい声。

 耳の鼓膜が、恐怖でゾクゾクと震えだす。


 ルキさんのゴツゴツした手のひらが、私の顔に張り付いた瞬間。

 私の意識は、暗い闇の中に吸い込まれていった。










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