α様は毒甘な恋がしたい
さっきまで制服を着ていたはずなのに……
私がまとっているのは、真っ白なドレス。
腰下がボリューミーなプリンセスライン。
私の腰まで伸びる黒髪は、ハーフダウンヘアで。
編み込まれた左右の横髪は、後ろで一つにくくられていて。
ゆるく巻かれた黒髪が、私の胸元を隠すように垂れている。
ティアラかな?
私の頭の上にのせられているのは。
もしかしてだけど、もしかして以外考えられないよね?
私が着ているのは、一生に一度はって憧れていたあれだよね?
まさしくここは披露宴会場だし。
私の太ももには、艶やかでボリューミーなレースがまとわりついているし。
新婦が着るウエディングドレスで、間違いないと思うけれど……
ステキな夢だな。
私もいつか、大好きな人と愛を誓いあって……
なんて、浮かれている場合じゃない!
違和感だらけなの。
違和感しかないの、この場所は。