α様は毒甘な恋がしたい
親と村人たちに裏切られ、棺桶に入れられたまま、山の上の神社に置き去りにされた俺。
死の恐怖で怯え震えていた俺を棺桶から出してくれたのは、人を食い殺しそうなほそ恐ろしい顔をした男だった。
『ぼっ僕を……食べる気……なんでしょ?』
魔王オーラバリバリだし。
地球人を食べるために削ってるの?っていうくらい、全部の歯がとがってるし。
『アハハ~ 面白いことを言う奴だな』
宙に浮きながら、豪快に笑ってるけど……
『違う……の?』
『オマエごときが神のディナーになるくらい旨いとは、到底思えんのだが。それにな、俺は人など食さぬ。こう見えて美食家なんだ。覚えておけ』
『じゃあなんで、僕を差し出すように村の人に言ったの?』
『まずは名乗ってやらんとな。俺は破壊神・ルキだ』
はっ、破壊神?!