α様は毒甘な恋がしたい
でも、ただで済むはずがない。
破壊神として地球を滅ぼさなかったことは、死をもって償うべき重罪行為。
俺の育ての親と言えど、前破壊神・ルキが黙っているはずもなく……
『俺が今から行って、地球を消滅させてくる!』
ルキが鬼の形相で、天界から飛び降りようとしたから
――何とかして、ルキを止めなきゃ!
――美心の命が奪われる前に!
俺はテンパりながら、やけくそでルキの腕をつかんだ。
そして振り返ったルキに、とんでもない嘘をついてしまった。
『俺は地球そのものを破壊したいんじゃない! 全地球人の精神を破壊したいんだ!』
熱意を爆発させるかのように大声をだした俺を、もの珍しそうに見つめたルキ。
『ほー、壊すのは精神のほうか』と、目じりを垂らし満足げ。
ルキを天界に引き留めるまで、もう一押しか。
こんなこと、微塵も思ってないけど……
『地球人全員を俺に沼らせる!』
『それで?』
『精神を操り、俺に服従させ、絶望地獄を味あわせるから! 必ず!』