α様は毒甘な恋がしたい
アルファ学園にオメガの私が?
☆美心side☆
『えっと……』
3列シートの高級ワンボックスカーの中。
『この状態は……』
肩をすぼませ縮こまり、一番後ろの列に座っている私。
『週刊誌のカメラに撮られたら、アウトなのでは?』
肌から逃げ出さないか心配になるほど、私の心臓が暴れまくっています。
異常なまでのバクバクっぷり。
原因は、気品と威厳のある高価な制服に、初めて袖を通したからじゃない。
ただいま、アルファしかいない高校への初登校中で。
『オメガということを隠して転入するなんて、本当に大丈夫なのかな?』
車に揺られながら、スリリングな不安を抱えているってのもあるけど。
私が座っているのは、横長シートのど真ん中なんです!
両隣には、同じ顔をしたイケメンアイドルがいるんです!
私を挟んだ状態で、二人ともテンションがおかしくて。
車に乗る前から、ニマニマ笑顔を絶やさなくて……