α様は毒甘な恋がしたい
「美心似合うじゃん、うちの制服」
雷斗さん、横から私の顔を覗き込まないで。
金髪をなびかせるワイルドフェイス、近っ!
「フフフ、ほんとお似合いです。あなたが転校する未来を予知した職人が、命がけで作り上げたとしか思えませんね」
今度は普段あまり笑わないクールキャラの風弥さんに微笑まれて、バクバクっ。
「立て! もっと近くで、俺様に全身見せろ!」
ひっ、無茶ぶりすぎっ!
「雷斗、独り占めはダメですよ。それに危ないじゃないですか。車が走行しているんです!」
は~~、よかった~。
きつい言い方で止めてくれる、風弥さんがいてくれて。
この1週間、雷斗さんと風弥さんのお屋敷に住まわせてもらってわかったことだけど。
雷斗さんって、スイッチが入ると暴走しちゃう時がある。
人間の姿をした猛獣みたいに見えちゃうの。
なんて本人に言ったら、怒られるかなぁ?