腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー


 ベリが丘のシンボルタワー、名称ツインタワーは低から中階層はオフィスエリアとなっていて、四十五階に二つのタワーを繋ぐ橋が通っている。


 高層フロアにはVIP専用のレストランやラウンジがあるらしい。


 ツインタワーのオフィスエリアの争奪戦は全国の会社や企業が取り合っていると聞き、年々倍率が凄いものだと聞くけれど、そこに暖の事務所もあるだなんて驚きだ。


 右側のタワーの二階に暖の事務所があるらしく、内に入ると、紺色の制服を着た警備員がずらりと並んでおり、厳重にフロア内を監視しているらしい。関係者以外立ち入れない雰囲気が醸し出されている。



 床は大理石で埋め込まれており、ツインタワーの中は真っ白で緊張してしまう。


 入口右側のエスカレーター内へと入り、二階へ上がる。エスカレーター側から一番近いエリアが暖の事務所になっているようだ。


 暖は自分の事務所に着くまで、私をお姫様抱っこした状態で連れてきた。


 オフィスの中に入るなり、


「ええっ、えっ!? どなた……!?」


 黒髪短髪の黒いシャツを着た若い男の人が、驚いた様子で私を見ては声を上げた。


< 11 / 186 >

この作品をシェア

pagetop