腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
まだ決めかねている和歌に、俺が契約しているベリが丘のノースエリアにある家のことを話す。
「おい、和歌。俺のノースエリアにある家、一軒家借りてるから広いぞ。二階まであるし、綺麗だし、開放的で、家の方角も良いから、絶対運気良くなること間違いなし」
「なにその、胡散臭い不動産屋みたいな紹介……」
なかなか信用してくれないため、スマホで画像を見せる。
「これが家の外観で、中を一通り撮影したから」
お母さんも和歌もなかなかの大豪邸に目を輝かせながら見ている。だが、お母さんが、
「ひ、広いわね。キッチンも大きくて使いやすそうね。でも、おうちの掃除が少し大変そうね」
心配事を口にした。
「大丈夫ですよ。俺も管理しきれずに、週四ペースでお手伝いさんを雇ってるんで。いつも隅から隅まで掃除してくれます。お母さんにも和歌にも苦労かけさせません」
『お手伝いさん』この言葉に和歌は惹かれたらしい。身を乗り出して、「暖、お手伝いさんも雇ってるの!? 別の世界の人みたい……」と羨ましがられてしまった。