腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
羨ましがらなくていいから、早く俺と結婚すると言ってくれ。
なかなか結婚すると言ってくれない和歌に、決定打となる最後の言葉を投げかける。
「和歌、俺と結婚したらずっと憧れの街ベリが丘にいられるぞ。俺と一緒になったら苦労かけさせないし、将来安泰、勝ち組だぞ」
「そ、そりゃあベリが丘にいたいけど……将来安泰、勝ち組って、私にそういう目で見られてるかもしれないと思ったら、嫌にならない? 私だったら将来安泰って理由で結婚を決められるのは嫌だけど」
「全然。それで和歌と結婚できるなら、むしろラッキーだろ。それに和歌さんよ、愛するよりも愛される方が得じゃね?」
ひたすらポジティブなことを言い続けていると、和歌はとうとう、
「分かりました……暖が私でいいなら、よろしくお願いします」
ーーと、俺との結婚を承諾してくれた。
ついに俺の長年の想いが実ってしまった。思い続けてたら、本当に夢が叶ってしまった。
絶対人生の一番の運気を今日使ってしまった気がする。