腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
「うん、分かってる。けど、尚人は本気で反省してくれたし、謝罪してくれた。暖にはちゃんと自分のお金で弁護士費用返すから、これはこのまま尚人に返してほしい」
「そんなに尚人が心配?」
「……違う。私はこれから暖と幸せになれるけど、でも、尚人はそうじゃないから。部屋も汚部屋だし、浮気相手の佐々木さん、仕事場でも自分のロッカーゴミだらけだったから、これからも尚人の家掃除しないと思うし、一緒に借りてた家賃も結構するから」
「和歌がそこまで気にかけてやることないだろ」
「でも、私、暖と幸せになりたいから。尚人に憎まれたままいたくないの」
そう言うと「はー、これだからお人好しは!」と大きなため息を吐かれた。
「分かった。これは尚人に返す。けど、最初に話した通り、弁護士費用はいらない。和歌が手に入ったんだから、俺も、他は何もいらない」