腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
嬉しそうに語る暖の横で、ホテルの最上階でワインを飲みながら花火が見れる光景を想像してしまった。そんなロマンチックでラグジュアリーな光景は、もう、この先ないだろう。
「そうと決まればホテル押さえとこう」と、スマホを片手に予約をしている。
暖と一緒にいて思うことは、行動力と決断力が早すぎる。一切の迷いがなく決めてしまう。優柔不断な私にとってはとても羨ましい。
「ついでに尚人の連絡先教えて」
そっとスマホを差し出す暖に対し、私もスマホを差し出し尚人の連絡先を送った。
暖は『ついで』と言いつつ、なにかしらのメッセージを尚人に送っているようだった。
「何を送ったの?」
『俺のところに来てくれているお手伝いさんを、一日だけ貸してやるから部屋掃除しろって、送っといた』
暖のスマホが音を鳴らした。
尚人からの返事であろう文面を読み上げる。
「えーっと、『結婚式場のキャンセル料は、内金含むキャンセル料二十万と電話で言われました。明日解約してきます。お手伝いさん、よろしくお願いします。運気変えたいです』だって」