腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
暖から良い香りがする。
これ……学生の時もふと、暖から匂ってきた。ずっと隣の席だったから覚えていた。
「暖、香水? 高校の時の物と同じの使ってるの?」
「和歌が婚姻届けに名前書いてくれてる間に、発掘して着けてみた。覚えててくれたんだな」
「りゃあ隣の席だったから、ずっと覚えてるよ! 私、この匂い好きだったよ」
「嬉しいこと言ってくれんじゃん」と言いながら、暖は楽しそうに私の頭をワシャワシャと撫でた。そして、私の髪の匂いを匂っている。
「和歌は……って、俺の家のシャンプー使ってるから、俺と匂い一緒だよな」
暖の顔がドアップで視界に入る。このままでは暖が醸し出すオーラにやられてしまう。
「ち……近い! もう少し離れて!」
手で胸板を強く押すけれど、男の力に叶うわけがなかった。
「俺、和歌といちゃいちゃしたいんだけど」
「……い、いちゃいちゃ? もうしてるよ! ほら、暖はリビングのソファで寝るんでしょ!」
ビクともしない体を押し続ける。けれど、全然動かないどころか、気分を良くした暖は「やっぱ俺もここで寝る」と言い出した。