腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
煽ったつもりはないのに、その後の暖のキスは激しくて。
息をしたい時に息をさせてくれて。舌と舌が絡み合うのがとても気持ちよくて。暖がくれるキスに夢中になっていると、何も考えることができなくなり、次第に意識が遠のいていった。
こんなに心地いい眠りについたのは初めてだった。
目を覚ますと、暖が上半身裸の状態で私の顔をガン見していた。自分が洋服を着ているかをすぐに確認すると、「キスだけで持ってかれてんじゃねぇよ、もう昼だわ」と悪そうな顔をして微笑んだ。
私自身、洋服はきちんと着ているけれど記憶がない分、自分がどこまでしてしまったのかを覚えていない。
「ご、ごめん……あの、私、最後までしたんでしょうか?」
恐る恐る聞いてみると、
「最後までさせてくれなかったんだよな?」
よく見ると、暖の目の下にはうっすらとクマができていた。
「おまえさんは気持ちよさそうに寝るし。ムラついて一睡もできてねぇ」
「ご、ごめん……気持ちよくて、つい」
「ついってなんだ、ついって。じゃあ、俺、今から支度して尚人とぶーちゃんに会ってくるから。今日は事務所も休みだし、和歌もゆっくりしろよ。お手伝いさん来る日だから、なんかあったらお手伝いさんに頼んでいいから」
暖の上半身が裸だったのは、お風呂から出たばかりだったかららしい。頭をタオルで拭くなり寝室から出て行った。