腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー


 ぶーちゃんは眉間に指を当て、「え? ちょっとまって。え? 有栖川?」状況が読み込めていない。


「しかも昨日婚約破棄したってなに? え、この人有栖川の前の婚約者?」

「そう。不貞行為犯したんだよ。因みに原因はこいつの浮気と暴力」


 これまたざっくりとした説明をすると、ぶーちゃんは尚人をドン引きした目で見ていた。そして、僅かに尚人との距離を少しだけ空けた。

「いや、違うんです。それには理由があって……」

「因みに、俺が和歌に結婚申し込んだの、尚人と和歌が婚約破棄してからだからな!」


 ぶーちゃんには、尚人が浮気した理由を説明しつつ、俺と和歌が婚約に至るまでの経緯を話した。すると、

「有栖川は絶対、東郷の方がいいよ」

 と大きく頷いて納得してくれた。


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