腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
そして、ぶーちゃんは何かを思い出すような目で和歌のことを話し始めた。
「東郷、有栖川のこと高校の時から好きでさ、三年間同じクラスで、席も……ずっと隣だったっけ? ああ、因みに有栖川以外、クラスの全員、東郷が有栖川好きなの知ってたからね」
ぶーちゃんの話を尚人は白い目を向けながら聞いている。
「なんで東郷さん、告らなかったの。告ってたら和歌も婚活パーティーなんか参加しなくてよかったし、俺とも出会わなかったのに」
何故か責任の全部を俺に押し付けようとしてくる尚人にイラッとしつつも、ぶーちゃんは構わず話続けた。
「ああ、それはね。有栖川と東郷は凄く仲が悪かったからだよ。顔合わせたらずっと口喧嘩」
余計でしかないことを尚人に説明している。
「いや、ぶーちゃん。その説明はいいから……」
ぶーちゃんの料理が運ばれてきて各々料理を食べ始める。味も良くてとても美味しい。
尚人はごま豆腐を食べながら、「そういえば、俺、和歌と喧嘩したことなかった」と、愚痴をこぼした。