腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー


 「良いかな?」と聞くぶーちゃん。


「あんなに多くはとれないかもしれないぞ。あれは和歌が不貞行為をされた挙げ句、暴力まで含む慰謝料で。尚人が相手の分の慰謝料も支払った五百五十万だからな」


「………うん、それでも、やっぱ活動休止してた分、収入もないから、お金の面も不安で……」


「まあ、そうだろうな。いいよ。刑事告訴が進んでいたとしても、示談に切り替えることはできるし。示談なら、もう証拠もあるから、身許割り出して突き止めて払わせればいいだけだしな」


 ぶーちゃんはホッと一息ついた。


「東郷、ありがとう」


 そんなぶーちゃんに問いかける。


「ぶーちゃん、BUSAのメンバーは活動休止について何て言ってくれてんの?」

「え? 普通に『持つよ』って」

「ぶーちゃんがボーカルなわけだから、ぶーちゃんがいなかったらメンバーもぶーちゃん無しで活動するわけにはいかないし、活動休止したままだもんな」


「え? うん。そう、だけど?」


< 155 / 186 >

この作品をシェア

pagetop