腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
「良いかな?」と聞くぶーちゃん。
「あんなに多くはとれないかもしれないぞ。あれは和歌が不貞行為をされた挙げ句、暴力まで含む慰謝料で。尚人が相手の分の慰謝料も支払った五百五十万だからな」
「………うん、それでも、やっぱ活動休止してた分、収入もないから、お金の面も不安で……」
「まあ、そうだろうな。いいよ。刑事告訴が進んでいたとしても、示談に切り替えることはできるし。示談なら、もう証拠もあるから、身許割り出して突き止めて払わせればいいだけだしな」
ぶーちゃんはホッと一息ついた。
「東郷、ありがとう」
そんなぶーちゃんに問いかける。
「ぶーちゃん、BUSAのメンバーは活動休止について何て言ってくれてんの?」
「え? 普通に『持つよ』って」
「ぶーちゃんがボーカルなわけだから、ぶーちゃんがいなかったらメンバーもぶーちゃん無しで活動するわけにはいかないし、活動休止したままだもんな」
「え? うん。そう、だけど?」