腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
「うん。だから戻っておいでよ。暖が真島くんのために、ぶーちゃんから何か貰ってきてるみたいだし……」
「ええっ!? す、すごくほしい。僕、戻ってもいいんですか?」
不安気に聞く真島くんに「うん」と頷いた。すると、真島くんの顔色はみるみる明るくなっていく。
「僕、もう戻れないって思ってて。でも、和歌さんのお言葉で、暖先生の元に戻る決心がつきました。僕、頑張りたいです。もう依頼量が安いだのなんだの文句言いません! 和歌さんにも当たり散らしてすみませんでした」
真島くんは私に深く謝罪をした。
結局依頼料は支払っていないと言ったら、また真島くんは「ちゃんと支払ってください」と怒ってしまうだろうか。怒られる前提で私も真島くんに謝罪をする。
「真島くん、私の方からも謝らせてほしい。婚約者と婚約破棄して慰謝料も取れたんだけど、でもお金の問題じゃなくて……だから慰謝料は返しちゃったの。暖にも弁護士費用が支払えなくて。真島くんには『絶対払う』って言っておきながら払えなかった。……ごめんね」