腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
暖は何を言ってるの?
真島くんに目を向けると、真島くんは口に手を当てながら恥じらっているような仕草をして見せた。
「…………え?」
「だから俺を選べば、別れさせてやれるし、慰謝料も取れるだけ取るし、不自由させないって言ってんだよ」
困惑する私に暖は強く言い放った。
「……不自由はするよ。だってベリが丘にいられなくなるし」
いくら暖が宝石並みに価値があって、慰謝料を取れるだけ取れたとしても、そんなの全然嬉しくない。
それは私が望んだ未来じゃない。
何かを感づいている真島くんは「和歌さん、大丈夫ですよ~! ベリが丘にはいれます! 僕が保証します!」と、胸を張って背筋を伸ばした。
真島くんだけなんだかとても楽しそうな表情をしている。
「どういうこと?」
さっきから自分は分かってますと勿体振っている真島くんに質問をしてみる。
真島くんは暖を見ながら「いや、ほら。和歌さんには暖先生もいますしね!」と、何故か言ってやった的な誇らしげな表情をした。
「……真島くん、何言ってるの? 暖とは高校の頃からずっと仲悪かったんだよ?」
「え、いや……でも、ほら、色々あるじゃないですか、人生、生きてたら!」
「でも、暖とどうにかなることだけは地球が滅びてもあり得ないから」