腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
休憩時間を使って、その日のうちに辞表を書いて店長に提出した。
仕事が終わってマンションに帰宅後、尚人には「長期休みがほしいって言ったらやめることになった」と報告をすると、あからさまに不満気な顔をした。
言いたいことはあるだろうに、それでも未だに自分の感情を抑え込んでいる。
「……どうすんの、仕事。もっと上手い言い方あったんじゃないの?」
「一年後には結婚するっていう事は伝えてたから、今回の件関係なく研修期間終わったら辞めてもらう予定だったって……」
「それなら元から採用したりしないよね。やっぱり和歌の伝え方が悪かったんだよ。具合悪い、休み欲しい、しか言わなかったから、やる気ないように見れられて反感買ったんだって」
決めつけから入る尚人にイライラする。
「休み長く取って実家帰れ、って言ったのは尚人じゃん」
「そんな強い言い方してないよ。なんで人のせいにして逆ギレしてんの。キレたいのは俺の方なんだけど。悪いけど、自分の金は自分でなんとかしなよ」
急に冷たく突き放され、呆然とする。
結婚する予定なのにまるで他人事だ。