腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
口では嫌味を言いつつも、嬉しそうな表情が見て分かる。
俺は和歌が求める理想の男性になれているだろうか。
「ほら、飯テーブルに運ぶぞ」
真島と俺と和歌で朝食を食べる。
俺の朝食に慣れてしまった真島は、「えー、また米! たまにはパンとか、サンドイッチとかコーヒーとかー」と、嘆いていた。
「やかましい、サンドイッチくらいてめぇが作れ!」
「フライパン焦がしていいなら」
俺達の会話を聞いていた和歌が「ハハッ」と笑った。
早くこんな些細な出来事が日常になってほしい。
「仕事、無理すんなよ。嫌ならすぐ戻ってこい」
「大丈夫、ありがとう」
部屋着から一変、清楚感がある服装に着替えた和歌は、化粧をして事務所から出て仕事へと向かった。
朝食の食器を洗い終えた俺は、真島のコーヒーも淹れてテーブルへ置く。
「あ、どーもー」
「…………で、今日の十二時からの相談者はどんな人だって? 俺の知り合いって言ってたよな」
ソファーに座り、自分の分のコーヒーに口をつけながら、今溜まっている依頼分に目を通す。
「名前と相談内容聞いてきましたよ。えー、名前は部狭山一弘さん。なんでも、つい最近ベリが丘に引っ越してきたらしいです」
「え!? ぶーちゃん!?」
「……ぶーちゃん? 誰です?」
「BUSAのカズ!」
「ええっ!? BUSAのカズが部狭山さん!?」