腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー


「私は、尚人となら幸せになれると思った。幸せに、なりたかった……」


 黙って聞いてくれる暖を前に、もどかしい感情をさらけ出す。ただ、聞いてくれるだけでいい。けれど、

「尚人のどこがそんなに良かったわけ?」

 暖は黙って聞く気はないらしい。


「…………私、暖に依頼料金払えない」

「今は無料相談の時間内としてカウントしてるから。別におまえから金取りたいわけじゃねぇよ」


 暖の言葉に甘えてゆっくり喋りだす。


「優しかった。一緒にいて気が楽だった。だから、ずっと一緒にいるんだろうなって思ってたのに、尚人はそうじゃなかった……違う女と一緒にいた。体を……重ねてた」


 暖は私のボヤキに大きく息を吐いた。


「――で? さっき具合悪そうにしゃがんでたのはなに? つわり? もしかして、尚人の子を授かってんの?」

「ちっ……違う! 今月ちゃんと生理きたから!」

 つられて、つい、言わなくてもいいことまで話してしまう。


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