腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
ツインタワー内から出ると、真島くんが駐車スペースの方へ歩いている背後を捉えた。
「真島くん!」
そう大声で叫ぶと、真島くんは足を止めてくれた。
またキツイ言葉を浴びせられるかもしれない。けれど、それでも構わない。私はそれ相応のことを真島くんにしてしまったんだ。
真島くんの元に近寄り、聴いてほしくて腕を掴む。――こんな終わり方は嫌だ。
「真島くん、ごめん。負担かけさせてごめん」
真島くんは私の方に体を向けずに口を開いた。
「和歌さんのせいじゃないですよ。僕が心が狭かっただけで、あんな風に言うつもりじゃなかったのに、止められなくて、暖先生と和歌さんに八つ当たりしてしまいました。……ごめんなさい」
やっぱり真島くんは、話せばちゃんと分かってくれる。
「真島くんの言う通り、お金払ってないのに依頼だなんて、図々しすぎた。暖に負担はかけさせない。自分でなんとかするから……心配しないでね」