腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
「……許して、くれますか?」
「うん! 真島くんが戻るときのために、私も真島くんの力になるように、ここで頑張るから。あと、暖ね、お母さんが高校生のときに男作って出て行っちゃったんだって」
真島くんはようやく、私の方に体を向け、私と目線を合わせてくれた。
「…………不倫、ですか?」
「うん。それで、弁護士になることを決意したんだって。暖はね、武器を持ちたかったって、私に教えてくれたの」
「…………武器」
「法律を武器にしたいって言ってたの。暖は過去の経験から、自分を頼ってくれる、被害者の立場に寄り添いたいのかも」
「僕はお金のことしか見てませんでした。だから、もっとたくさんクライアントから貰えとか思っちゃってて……今ままで弁護士事務所を転々としてきましたけど、皆お金のことばかりでした。……暖先生は違うのに、大切にしてるものが違うのに」
真島くんは悔しそうに唇を噛んだ。
「バカでごめんなさい、お世話に……なりました」
「真島くんの居場所はずっとここにあるからね」
「…………っ、はい……」