つかの間の溺愛~私と娘を迎えに来た最愛の人はエリート自衛官でした~
 注文が多い時は、この配膳用ロボットが大活躍する。棚に品を乗せて、ぽちぽちとタブレット画面を押して起動させる。

「お待たせしましたにゃ!」

 ロボットが出す音声もなかなか可愛い。客からのウケも上々だ。

「お待たせしました。熱いのでお気を付けください」
「はぁい」

 こうしてお昼の繁忙期を乗り越えると、ようやくこちらもお昼休憩となる。バックヤードで先輩の女性定員と共に昼食を食べていると彼女からねえ。最近どうなのという声がかかってきた。

「かえでちゃん、娘ちゃん元気?」

 私の娘はえみと言って、3歳になったばかりの娘だ。顔は私と私の祖父母に若干似てるかもしれない。ただ、髪が多くてさらさらしているのは父親似かもしれない。

「はい、元気ですよ!」
「えみちゃんこないだ誕生日だったと思うけど、何歳になったんだっけ?」
「3歳ですね」
「3歳かあ……早いねえ。保育園通っているんでしょ?」

 そう。えみを保育園に預けて私はこのファミレスで働く毎日を送っている。ここの職場は恋人と知り合う前、なんなら高校時代のアルバイトからの長い付き合いなのでそう簡単には辞めたくないのだ。

「かえでちゃんはさ、再婚しないの?」
「あー-……今はまだ、考えていないです」
 
 やはり、この話題を振られると正直きつい。
< 2 / 8 >

この作品をシェア

pagetop