つかの間の溺愛~私と娘を迎えに来た最愛の人はエリート自衛官でした~
事実を知った両親からは酷く怒られた。あんな男に引っかかるお前が悪いとか、ちゃんと結婚相談所に行かないからとか、とにかく私の失態のように扱われた。
(夕貴さんはそんな人じゃない)
両親から夕貴について罵倒されるたびに、そう苦虫を噛み潰すように歯を食いしばって耐えてきた。彼がそんな人物だとは思えないし思いたくない。
(きっとなにかあったから、こうなったんだよ)
そう自分に言い聞かせ続けている間にも、妊娠が発覚し、えみが生まれた。
最初、妊娠が発覚した時は両親はどこの馬の骨かもわからない男との子供なんて中絶しろとの一点張りだったが、産婦人科医と何とか協力して説得し、産む事となったのだった。
(えみが産まれてよかった。ひとりじゃなくなったから)
だが、あれから数年。彼とは音信不通のままだ。
「ひとりじゃきついでしょ?」
こうして再婚を勧めて来る声は先輩以外にも複数、聞いている。だが、私には夕貴さんだけしかいないのだ。彼以外の男性なんて考えられない。
「いやでも、何とかなってますし。今は再婚なんて考えられないというか」
こんな感じで先輩からの再婚話は興味ないとやり過ごしつつ、弁当を食べて午後の仕事に備えるのだ。
(夕貴さん以外考えられない
(夕貴さんはそんな人じゃない)
両親から夕貴について罵倒されるたびに、そう苦虫を噛み潰すように歯を食いしばって耐えてきた。彼がそんな人物だとは思えないし思いたくない。
(きっとなにかあったから、こうなったんだよ)
そう自分に言い聞かせ続けている間にも、妊娠が発覚し、えみが生まれた。
最初、妊娠が発覚した時は両親はどこの馬の骨かもわからない男との子供なんて中絶しろとの一点張りだったが、産婦人科医と何とか協力して説得し、産む事となったのだった。
(えみが産まれてよかった。ひとりじゃなくなったから)
だが、あれから数年。彼とは音信不通のままだ。
「ひとりじゃきついでしょ?」
こうして再婚を勧めて来る声は先輩以外にも複数、聞いている。だが、私には夕貴さんだけしかいないのだ。彼以外の男性なんて考えられない。
「いやでも、何とかなってますし。今は再婚なんて考えられないというか」
こんな感じで先輩からの再婚話は興味ないとやり過ごしつつ、弁当を食べて午後の仕事に備えるのだ。
(夕貴さん以外考えられない