振り向いて、ダーリン!
ぐい、と引っ張られ、立つ。
目まぐるしく視界が変わって、私はてんやわんやだった。
「へ……あ……」
やっとのことで落ち着く。
私の腕を掴んでいる目の前の人は、男の子だった。
うわ、背が高い。
そして………。
「わんっ」
足にしがみついてきたのは……。
「わんちゃん!」
だった。
真っ白の、ゴールデンレトリバー?かな。
「すごい、しろ〜い」
しゃかんでわしゃわしゃ撫でると、顔をぺろぺろ舐めてきた。
あぁ、さつをきのは、君だったんだね。
「あはは。いい子だねぇー」
「……おい」
「あ」
やべ。
助けてくれた人の事忘れてた。
立ち上がる。
うわ、背が高い。