ラピスラズリ ~前世の記憶を思い出した伯爵令嬢は政略結婚を拒否します~
『コンコンコン!』
誰も返事をしないためか、1度目より大きなノックの音が響いた。
「あの・・・出てもよろしいですか?」
ベルナルド様に視線を向けると、小さな溜息をついて「ああ」と頷いた。
不機嫌な顔をしたアイシャに視線で指示を出す。
アイシャがドアを開けると、男の子が飛び込んできた。
「殿下!お待ちください!」
慌てて止める側仕えの手を振りほどいて男の子が入って来た。
「カノン!目を覚ましたと聞いたぞ!具合はどうだ!?」。
「マ、マルクス王子殿下!?」
ええええ!?
マナーもそっちのけで部屋に飛び込んできたのはマルクス王子殿下だった。
「は、はい。もう大丈夫でございます。殿下の方こそお怪我の具合はいかがでございますか?」
王子は腕を見せ、
「擦りむいただけだ。カノンのおかげだ。
礼を申すぞ!」
ベッドの横に立つ8歳の王子と、ベッドの背もたれに寄りかかっている私の目の高さは調度同じくらいだった。
王子は私の額にそっと手を伸ばし、
「痛いか?」
と恐る恐るたんこぶに触れた。
ピリッとする痛みにピクリと体が反射的に反応した。
手を引っ込めて心配そうな表情を浮かべる王子に、
「大丈夫ですわ」
と微笑んだ。
誰も返事をしないためか、1度目より大きなノックの音が響いた。
「あの・・・出てもよろしいですか?」
ベルナルド様に視線を向けると、小さな溜息をついて「ああ」と頷いた。
不機嫌な顔をしたアイシャに視線で指示を出す。
アイシャがドアを開けると、男の子が飛び込んできた。
「殿下!お待ちください!」
慌てて止める側仕えの手を振りほどいて男の子が入って来た。
「カノン!目を覚ましたと聞いたぞ!具合はどうだ!?」。
「マ、マルクス王子殿下!?」
ええええ!?
マナーもそっちのけで部屋に飛び込んできたのはマルクス王子殿下だった。
「は、はい。もう大丈夫でございます。殿下の方こそお怪我の具合はいかがでございますか?」
王子は腕を見せ、
「擦りむいただけだ。カノンのおかげだ。
礼を申すぞ!」
ベッドの横に立つ8歳の王子と、ベッドの背もたれに寄りかかっている私の目の高さは調度同じくらいだった。
王子は私の額にそっと手を伸ばし、
「痛いか?」
と恐る恐るたんこぶに触れた。
ピリッとする痛みにピクリと体が反射的に反応した。
手を引っ込めて心配そうな表情を浮かべる王子に、
「大丈夫ですわ」
と微笑んだ。