ラピスラズリ ~前世の記憶を思い出した伯爵令嬢は政略結婚を拒否します~
翌日。事情聴取の続きを受けた後、伯爵家まで馬車で送ってもらい、数日間、家で安静に過ごした。
その間、眠るたびに前世の出来事を夢に見るのだった。
瑠伽と過ごした何気ない日常はとても幸せで、私は目を覚ます度に泣いていた。
私が奏音の生まれ変わりと同様に、もしもルーカス様が瑠伽の生まれ変わりだったとしたら?
瑠伽・・・・。
ああ・・・どうして『前世の記憶』なんて思い出してしまったのだろう。
瑠伽に教えて貰った『愛される悦び』と『愛する悦び』。
今となってはとても悲しくて苦しいだけだ。
だって私は今からベルナルド様と結婚しなくてはならないのだ。
結婚を望まないベルナルド様と。