ラピスラズリ ~前世の記憶を思い出した伯爵令嬢は政略結婚を拒否します~
第2章

<王子の求愛と契約婚約>

前世の記憶を思い出した翌日。

私は事情聴取の続きを受けた後、伯爵家まで馬車で送ってもらい、数日間、家で安静に過ごした。


その間、眠るたびに前世の出来事を夢に見るのだった。


私が奏音の生まれ変わりと同様に、もしもルーカス様が瑠伽の生まれ変わりだったとしたら?

・・・・ってムカつく。

ルーカス様と瑠伽は似てるところがあるのは事実。
でも、瑠伽と全ッッッ然違う!

冷たい視線で見降ろしてきちゃってさ。

何で私が『悪女』前提なわけ?
足し算引き算は得意だし、『人間関係の計算』だってするわよ、必要だもの。

でもさ!

王子殿下を助けて疑われるとか感じ悪い!

だいたい、私がベルナルド様のとこにご機嫌伺いに行くたびに追い帰すんだもの、ほとんどあったことがないじゃない!

結論!ルーカスは瑠伽の生まれ代わりだとしても瑠伽じゃない!



それにしても・・・。

どうしてこのようなタイミングで思い出してしまったのでしょう。
私はベルナルド様の妃になるために日々過ごしているというのに。
『政略結婚』して当然だと思っていたし、愛のない結婚でも問題なかったはずなのに。

「好き」のドキドキとか、「愛する」幸せや、「愛される」悦びを思い出してしまった私にとって、この愛のない関係が辛い。


瑠伽・・・逢いたい。もう一度好きだと言って抱きしめて。

あなたの腕の中で笑い合いたい。

瑠伽を思い出しては涙がこぼれてくる。


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