ラピスラズリ ~前世の記憶を思い出した伯爵令嬢は政略結婚を拒否します~
***
ずっと部屋の中にこもってはボーっと奏音の頃に思いを馳せていた。
そんな風に過ごす私を誰も咎めなかったが、3日目の朝、アイシャが散歩に誘ってきた。
アイシャが私の心配をして外に連れだそうとしていることがわかるし、ずっと考えてもらちが明かない。
そこで気晴らしに屋敷の中を探検してみることにした。
するとどうだろう。
奏音の記憶が戻る前は気にも留めていなかったものが、前世の記憶を取り戻してからというもの、屋敷の中はわくわくする物で溢れかえっていることに気が付いた。
奏音は世界遺産が好きで、休日には博物館や美術館を巡って芸術品を見るのが趣味だった。
この素晴らしい建物の中や調度品を見て回れることに心震わせるのだった。
左右対称のシンメトリーの建物。
広大な園庭には噴水やたくさんの花々が植えられている。
室内の調度物はどれも美しく、恐れ多くて素手で触れることなどできない。
美しい絵画。
美術館や博物館の中に住んでいるようなものだ。
た、たのしいいい!
何てことを思いながらさらに数日を屋敷で過ごしていると、王城に行っていないことを知ったマルクス王子殿下が心配なさって「お見舞いに来たい」という内容の知らせが届いたのだった。
え。嫌なんですけど。
ずっと部屋の中にこもってはボーっと奏音の頃に思いを馳せていた。
そんな風に過ごす私を誰も咎めなかったが、3日目の朝、アイシャが散歩に誘ってきた。
アイシャが私の心配をして外に連れだそうとしていることがわかるし、ずっと考えてもらちが明かない。
そこで気晴らしに屋敷の中を探検してみることにした。
するとどうだろう。
奏音の記憶が戻る前は気にも留めていなかったものが、前世の記憶を取り戻してからというもの、屋敷の中はわくわくする物で溢れかえっていることに気が付いた。
奏音は世界遺産が好きで、休日には博物館や美術館を巡って芸術品を見るのが趣味だった。
この素晴らしい建物の中や調度品を見て回れることに心震わせるのだった。
左右対称のシンメトリーの建物。
広大な園庭には噴水やたくさんの花々が植えられている。
室内の調度物はどれも美しく、恐れ多くて素手で触れることなどできない。
美しい絵画。
美術館や博物館の中に住んでいるようなものだ。
た、たのしいいい!
何てことを思いながらさらに数日を屋敷で過ごしていると、王城に行っていないことを知ったマルクス王子殿下が心配なさって「お見舞いに来たい」という内容の知らせが届いたのだった。
え。嫌なんですけど。