ラピスラズリ ~前世の記憶を思い出した伯爵令嬢は政略結婚を拒否します~
ダンスレッスン
「・・・・・・くッ」
「・・・・・・プ」
私は軽やかな伴奏に乗って、アイシャをパートナーにしてダンスのレッスンをしていた。
「1!2!3!1!2!3!」
先生の大声と手拍子が響く。
その間はギクシャクとした動きではあるが、まだステップを合わすことはできるのよ。
でも先生の声がなくなったとたん、体は制御を失う。私に腕を引っ張られてアイシャの体もグラングランと左右に揺れる。
視界の片隅で、ベルナルド様とルーカス様が目を背けて肩を静かに震わせているのがチラチラと目に入る。
「はい、ストップ、ストップ!」
ピアノを止めさせた先生は青筋を立てながら、
「カノン様!
音楽を聴いてくださいと何度申し上げたらわかるのですか!?
それから、もっと滑らかに!
これではまるでオモチャの騎士の行進のようですわ!」
「……はい」
私は肩を小さく丸めるようにして小さく返事をした。
そして、時間がきた先生は自主練を言い渡して部屋を出て行った。
「お二人とも、笑い過ぎですわよ」
アイシャから手渡されたタオルで汗を拭きつつ、ベルナルド様とルーカス様を睨みつけた。
くっくっと肩を揺らしながら二人は近づいてきた。
「いやあ、だって・・・まあ、すまない」
ベルナルド様のその目はキラキラと嬉しそうに笑っていた。
「再開した王族教育もあっという間に終わらせたと聞いた。
馬も上手に乗りこなすと聞いているから、運動が苦手というわけでもあるまい。
なのに・・・・・・ぷっ」
「ベルナルド様!笑わないでくださいませ!」
「とは言え、このままではまずいですよね」
ルーカス様は笑い続けるベルナルド様をスルーして、腕を組み、片手を顎に当て、何か考えているようだった。
うーん。こういう仕草が瑠伽と似ているから困るのよね。
違う人物だと頭では分かっているのに、心臓がキュンとしてしまう。
「・・・・・・プ」
私は軽やかな伴奏に乗って、アイシャをパートナーにしてダンスのレッスンをしていた。
「1!2!3!1!2!3!」
先生の大声と手拍子が響く。
その間はギクシャクとした動きではあるが、まだステップを合わすことはできるのよ。
でも先生の声がなくなったとたん、体は制御を失う。私に腕を引っ張られてアイシャの体もグラングランと左右に揺れる。
視界の片隅で、ベルナルド様とルーカス様が目を背けて肩を静かに震わせているのがチラチラと目に入る。
「はい、ストップ、ストップ!」
ピアノを止めさせた先生は青筋を立てながら、
「カノン様!
音楽を聴いてくださいと何度申し上げたらわかるのですか!?
それから、もっと滑らかに!
これではまるでオモチャの騎士の行進のようですわ!」
「……はい」
私は肩を小さく丸めるようにして小さく返事をした。
そして、時間がきた先生は自主練を言い渡して部屋を出て行った。
「お二人とも、笑い過ぎですわよ」
アイシャから手渡されたタオルで汗を拭きつつ、ベルナルド様とルーカス様を睨みつけた。
くっくっと肩を揺らしながら二人は近づいてきた。
「いやあ、だって・・・まあ、すまない」
ベルナルド様のその目はキラキラと嬉しそうに笑っていた。
「再開した王族教育もあっという間に終わらせたと聞いた。
馬も上手に乗りこなすと聞いているから、運動が苦手というわけでもあるまい。
なのに・・・・・・ぷっ」
「ベルナルド様!笑わないでくださいませ!」
「とは言え、このままではまずいですよね」
ルーカス様は笑い続けるベルナルド様をスルーして、腕を組み、片手を顎に当て、何か考えているようだった。
うーん。こういう仕草が瑠伽と似ているから困るのよね。
違う人物だと頭では分かっているのに、心臓がキュンとしてしまう。