ラピスラズリ ~前世の記憶を思い出した伯爵令嬢は政略結婚を拒否します~

虫!無理!本気で!

何回か目のデート。

今日の昼食は王城近くの池でピクニックをする予定。

ピクニックと言えば、おにぎりかサンドイッチ!
お米はないのでおにぎりは諦めて、王城の料理長にサンドイッチを頼んだ。
大好物の卵サンドが食べたい!!
わくわくした気分でピクニックに行くのだった。





新緑の緑が生える池のほとりに大きな布を広げ、ベルナルド様が座った。
その隣に私も座る。

アイシャがポットに入れてきた紅茶を注いで、ルーカス様が王城の料理長に作ってもらった昼食をバスケットから出した。
ピクニックとは思えないほどの豪華料理とサンドイッチだ。

「準備ができたのなら、お二人も座ってくださいな」
「いえ、私たちは」と遠慮するアイシャとルーカス様に、
「ピクニックはみんなで食べたほうがおいしいのですよ。
ほら、2人とも。ここにお座りなさい。」
とペシペシと布の上におかれたクッションを叩き、無理やり座らせた。 
そして、4人は広げられた料理を中心に丸く座った。

ルーカス様の毒見を待って私は卵サンドに手を伸ばした。

わーい!大好きなタマゴサンド~。

パクリと食べた。

えええ!!!!!?????

衝撃的なことが分かったのだ!!
卵サンドが卵サンドではありませんわ!!

食べた卵サンドには塩コショウで味付けされたスクランブルエッグが挟まれていた。
がっくりとうなだれながら、カノンの記憶の中からマヨネーズを探す・・・・。

なんと、この世界にマヨネーズがない!!!!!!
何てことでしょう・・・。
マヨネーズがなければ卵サンドが作れないじゃないの!
卵焼きのサンドイッチもおいしいわよ。
おいしいけれど、ゆで卵をぐちゃぐちゃにしてマヨネーズと塩コショウで味付けされた卵サンドが食べたいのよおおお!!


「カノン、どうしたのだ?口に合わないか?」

ベルナルド様が不審そうに見ている。
慌てて首を振り、
「私が想像していた卵サンドと違っていて驚いただけですわ。この卵焼きがふわふわで…これはこれでおいしいなあって…思ったんです」

せっかく作っていただいたサンドイッチですもの、違ってるなんて言えるわけがない。
下手したら料理長がクビになっちゃうわよ。

「ははは、そんなに卵のサンドイッチが好きなのか」
ベルナルド様は嬉しそうに笑った。


仕方ない。
ないなら作ろう!!

奏音時代も何度か作ったことがある。また今度家で作ることにしよう。
パクパクと料理を食べながら心に誓うのだった。



< 42 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop