冷酷な御曹司は虐げられた元令嬢に純愛を乞う
「あっ…。」
突然莉子が立ち上がり人混みを掻き分けて走り出す。
「莉子!」
司も慌てて見失ってはいけないと着いて行く。
「ちょ、ちょっと…。」
まだみたらし団子を食べ終えてなかった学は慌てふためいている。
「亜子…!」
綺麗な着物を着た花街からの女子衆の1番後ろに、一際若い振袖姿の亜子を見つける。
離れ離れになってから6年立ったとしても見間違える事は無い。
莉子は必死で亜子の腕を掴み引き留める。
「…っ亜子ちゃん!亜子ちゃんでしょ⁉︎」
えっ⁉︎と振り返り驚き顔の亜子と見つめ合う事数秒…
ドンッと不意に莉子は押されて、
「きゃっ!!」
尻もちを突く瞬間、咄嗟に目をギュッとつぶり衝撃に対応しようと見を固くする。…が、いつまで経っても衝撃は来ない…
振り返ると、寸でのところで背後から司に抱き止められていた。
「大丈夫か⁉︎」
こくんこくんと頷く莉子に安堵しながら、司は鋭い目線を先方に移す。
「か弱い女子に手荒な真似をするな!」
躯体のがっちりした用心棒らしき男を睨み付ける。
今にも喧嘩になりそうな雰囲気に莉子は慌てて、
「大丈夫です。司様…。」
抱き止められているその腕に抱き付き止める。
少し我に返った司がフッと息を吐き、莉子の髪を優しく撫ぜる。
「そっちが勝手にうちの大事な踊り手の手を掴んだんだ。」
どんだ言いがかりだと言うように、躯体の良い男がこちらを睨み返す。
辺りは騒つき始め、遠目から騒然とする人々が物珍しそうに立ち止まり始める。
「騒がしいねぇ。どうしたんだい?」
先頭を歩いていた女将さんらしい年増の女が、騒ぎを聞き付けこちらに向かって来る。
「彼女と知り合いなんです。少しだけ時間を下さい。」
司は冷静になった頭でサッと懐から財布を出し、いくらか女将にそっと握らす。
「…仕方ないねぇ。15分まで待っててやるから、話しておいで。ヤス目を話すんじゃ無いよ。」
女将はそう言って列の先頭に戻って行った。
「司様…ありがとうございます。」
莉子は深く頭を下げて、また散財させてしまった事に心を痛める。
「本来、金で他人の心を動かす事は好かないが…この場を穏便に済ませたかった、許せ。
俺の事はいいから、妹と話しておいで。」
司はそう言って、莉子の背中をそっと押す。
こくんと頷き莉子は亜子に向かい合う。
司も気をきかせ、人目の少ない小脇に2人を誘導して、少し離れた所から見守る事にする。
遅れて来た学が息を整えながら、その場の様子を確認して司に駆け寄る。
用心棒の男は終始亜子から目を離さず腕を組み仁王立ちだ。
突然莉子が立ち上がり人混みを掻き分けて走り出す。
「莉子!」
司も慌てて見失ってはいけないと着いて行く。
「ちょ、ちょっと…。」
まだみたらし団子を食べ終えてなかった学は慌てふためいている。
「亜子…!」
綺麗な着物を着た花街からの女子衆の1番後ろに、一際若い振袖姿の亜子を見つける。
離れ離れになってから6年立ったとしても見間違える事は無い。
莉子は必死で亜子の腕を掴み引き留める。
「…っ亜子ちゃん!亜子ちゃんでしょ⁉︎」
えっ⁉︎と振り返り驚き顔の亜子と見つめ合う事数秒…
ドンッと不意に莉子は押されて、
「きゃっ!!」
尻もちを突く瞬間、咄嗟に目をギュッとつぶり衝撃に対応しようと見を固くする。…が、いつまで経っても衝撃は来ない…
振り返ると、寸でのところで背後から司に抱き止められていた。
「大丈夫か⁉︎」
こくんこくんと頷く莉子に安堵しながら、司は鋭い目線を先方に移す。
「か弱い女子に手荒な真似をするな!」
躯体のがっちりした用心棒らしき男を睨み付ける。
今にも喧嘩になりそうな雰囲気に莉子は慌てて、
「大丈夫です。司様…。」
抱き止められているその腕に抱き付き止める。
少し我に返った司がフッと息を吐き、莉子の髪を優しく撫ぜる。
「そっちが勝手にうちの大事な踊り手の手を掴んだんだ。」
どんだ言いがかりだと言うように、躯体の良い男がこちらを睨み返す。
辺りは騒つき始め、遠目から騒然とする人々が物珍しそうに立ち止まり始める。
「騒がしいねぇ。どうしたんだい?」
先頭を歩いていた女将さんらしい年増の女が、騒ぎを聞き付けこちらに向かって来る。
「彼女と知り合いなんです。少しだけ時間を下さい。」
司は冷静になった頭でサッと懐から財布を出し、いくらか女将にそっと握らす。
「…仕方ないねぇ。15分まで待っててやるから、話しておいで。ヤス目を話すんじゃ無いよ。」
女将はそう言って列の先頭に戻って行った。
「司様…ありがとうございます。」
莉子は深く頭を下げて、また散財させてしまった事に心を痛める。
「本来、金で他人の心を動かす事は好かないが…この場を穏便に済ませたかった、許せ。
俺の事はいいから、妹と話しておいで。」
司はそう言って、莉子の背中をそっと押す。
こくんと頷き莉子は亜子に向かい合う。
司も気をきかせ、人目の少ない小脇に2人を誘導して、少し離れた所から見守る事にする。
遅れて来た学が息を整えながら、その場の様子を確認して司に駆け寄る。
用心棒の男は終始亜子から目を離さず腕を組み仁王立ちだ。