冷酷な御曹司は虐げられた元令嬢に純愛を乞う
(莉子side)
ハッとして、目が覚めた時にはすでに辺りは真っ暗になっていた。
いつの間にか天蓋付きの大きなベッドに寝かされていて、一瞬ここがどこなのか分からなくなる。
辺りをキョロキョロ見渡すと、大きな暖炉には火が焚べれていて、パチパチと焚き火の音が聞こえてくる。
その灯りがとても綺麗で、少しの間見入ってしまう。
「大変…夕飯の支度!!」
ハッと気付いてバッとベッドから飛び起きる。
どうしよう…初日に夕飯の用意もせずに眠り呆けてしまうなんて。
慌てて部屋を出て、とりあえず一階に向かう。
司さんはどこだろう?
お腹を空かせて待ってるはず…
慌てて階段を降りる。
すると、
「目が覚めたのか?」
と、音で気付いたのか司さんがわざわざ階段を上がって来てくれる。
「きゃっ…!!」
慌てて階段を降りたせいで、着ていたワンピースの裾を踏んでしまい前屈みに転びそうになる。
「危ない!」
急いで駆け寄る司さんに抱き止められて、階段を転がり落ちる事なく寸での所で食い止められる。
「…そんなに慌てて、何処へ行くつもりだ?」
ぎゅっと抱き止められてホッとしたのも束の間、抱き上げられて階段をそのまま降りて行くから、
「ご、ごめんなさい。…いつの間にか寝てしまって。」
慌ててお詫びをして降りようとするのに、下ろして貰えず、そのまま一階の応接間のようなところに連れて行かれる。
「あの…夕飯の準備をしなくてはと…慌てて降りてきたのですが…今、何時ですか?」
ふかふかのソファに下ろされて、ハラハラしながら辺りを見渡す。
「今、7時半ほどだ。
朝から今日は忙しかった筈だ。駅で走らせるてしまったし慣れない長旅で疲れたのだろう。
夕飯は店屋物を頼んだから大丈夫だ。」
そう言って、暖炉に置いてあったやかんから暖かな湯を汲んで、司さんが自らお茶の準備をしてくれるから、慌てて立ち上がり、
「私がやります。」
と、近寄り手を差し出すのに、
「これくらい俺でも出来る。」
と急須を渡してくれず、2つの湯呑みにお茶を注ぎ、ソファの方に運んでくれた。
「寒く無いか?広過ぎるのはいささか寒さも堪えるな。
既にこたつが懐かしい。」
私を毛布で肩から包んで暖かい湯呑みを渡してくれる。
「ありがとうございます…。
あの…明日はお休みですよね?何時くらいに起こせば良いですか?」
「明日は休日だからわざわざ起こさなくていい。せっかく実家から解放されたんだ。お互い自由を楽しもう。」
司さんは私の直ぐ隣に座り悠長にお茶を飲む。
やっと羽を伸ばせたかのように両手を広げて背伸びをしている。
本当にリラックス出来ているようで、私もなんだか嬉しくてふふっと笑う。
「お仕事ずっとお忙しかったですし、やっとゆっくり出来ますね。」
「そうだな。せっかくの休みだし、明日はこの街を散策しにでも出かけようか。中華街や港辺りにいろいろ店があるみたいだ。」
「面白そうですね。」
私も少しワクワクして来て返事を返す。
その後、届いたお寿司も暖炉の側のソファで食べた。
きっと親が見ていたら、はしたないと怒られただろうと思うほど寛ぎながらの食事は、今までになく楽しくもあり、彼との距離感にドキドキもした。
誰も咎める人がいない。
それだけで自由になった気持ちがするから不思議だ。
今まで日々の生活は規則と秩序でがんじから目だったんだと実感した。
「莉子はどこか行きたいところはあるか?」
行きたいところ…?
今までそんな事、聞かれた事もなかったから思い浮かばない。しばらく考えて、
「そう言えば麻里子さんが、中華街の胡麻団子が美味しいと言ってました。」
「胡麻団子…中国のお菓子か。
月餅や肉まんも美味い。明日は中華街で食べ歩きでもするか。ラーメンや餃子もいいな。莉子が食べたい物を片っ端から食べるぞ。」
そんな話しをしていると明日が待ち遠しくなるくらい楽しみになってくる。
ハッとして、目が覚めた時にはすでに辺りは真っ暗になっていた。
いつの間にか天蓋付きの大きなベッドに寝かされていて、一瞬ここがどこなのか分からなくなる。
辺りをキョロキョロ見渡すと、大きな暖炉には火が焚べれていて、パチパチと焚き火の音が聞こえてくる。
その灯りがとても綺麗で、少しの間見入ってしまう。
「大変…夕飯の支度!!」
ハッと気付いてバッとベッドから飛び起きる。
どうしよう…初日に夕飯の用意もせずに眠り呆けてしまうなんて。
慌てて部屋を出て、とりあえず一階に向かう。
司さんはどこだろう?
お腹を空かせて待ってるはず…
慌てて階段を降りる。
すると、
「目が覚めたのか?」
と、音で気付いたのか司さんがわざわざ階段を上がって来てくれる。
「きゃっ…!!」
慌てて階段を降りたせいで、着ていたワンピースの裾を踏んでしまい前屈みに転びそうになる。
「危ない!」
急いで駆け寄る司さんに抱き止められて、階段を転がり落ちる事なく寸での所で食い止められる。
「…そんなに慌てて、何処へ行くつもりだ?」
ぎゅっと抱き止められてホッとしたのも束の間、抱き上げられて階段をそのまま降りて行くから、
「ご、ごめんなさい。…いつの間にか寝てしまって。」
慌ててお詫びをして降りようとするのに、下ろして貰えず、そのまま一階の応接間のようなところに連れて行かれる。
「あの…夕飯の準備をしなくてはと…慌てて降りてきたのですが…今、何時ですか?」
ふかふかのソファに下ろされて、ハラハラしながら辺りを見渡す。
「今、7時半ほどだ。
朝から今日は忙しかった筈だ。駅で走らせるてしまったし慣れない長旅で疲れたのだろう。
夕飯は店屋物を頼んだから大丈夫だ。」
そう言って、暖炉に置いてあったやかんから暖かな湯を汲んで、司さんが自らお茶の準備をしてくれるから、慌てて立ち上がり、
「私がやります。」
と、近寄り手を差し出すのに、
「これくらい俺でも出来る。」
と急須を渡してくれず、2つの湯呑みにお茶を注ぎ、ソファの方に運んでくれた。
「寒く無いか?広過ぎるのはいささか寒さも堪えるな。
既にこたつが懐かしい。」
私を毛布で肩から包んで暖かい湯呑みを渡してくれる。
「ありがとうございます…。
あの…明日はお休みですよね?何時くらいに起こせば良いですか?」
「明日は休日だからわざわざ起こさなくていい。せっかく実家から解放されたんだ。お互い自由を楽しもう。」
司さんは私の直ぐ隣に座り悠長にお茶を飲む。
やっと羽を伸ばせたかのように両手を広げて背伸びをしている。
本当にリラックス出来ているようで、私もなんだか嬉しくてふふっと笑う。
「お仕事ずっとお忙しかったですし、やっとゆっくり出来ますね。」
「そうだな。せっかくの休みだし、明日はこの街を散策しにでも出かけようか。中華街や港辺りにいろいろ店があるみたいだ。」
「面白そうですね。」
私も少しワクワクして来て返事を返す。
その後、届いたお寿司も暖炉の側のソファで食べた。
きっと親が見ていたら、はしたないと怒られただろうと思うほど寛ぎながらの食事は、今までになく楽しくもあり、彼との距離感にドキドキもした。
誰も咎める人がいない。
それだけで自由になった気持ちがするから不思議だ。
今まで日々の生活は規則と秩序でがんじから目だったんだと実感した。
「莉子はどこか行きたいところはあるか?」
行きたいところ…?
今までそんな事、聞かれた事もなかったから思い浮かばない。しばらく考えて、
「そう言えば麻里子さんが、中華街の胡麻団子が美味しいと言ってました。」
「胡麻団子…中国のお菓子か。
月餅や肉まんも美味い。明日は中華街で食べ歩きでもするか。ラーメンや餃子もいいな。莉子が食べたい物を片っ端から食べるぞ。」
そんな話しをしていると明日が待ち遠しくなるくらい楽しみになってくる。