冷酷な御曹司は虐げられた元令嬢に純愛を乞う
「今夜はひとまず、何も考えずに寝る事にする。」
そう言って莉子に背を向けて横になる。

「…ごめんなさい…。子供みたいな事を言ってしまいました。」

「俺も…今夜は離れ難い。莉子の誘いは素直に嬉しいから気にするな。だが、明日からこうはいかないと思え。」

司はそう言い聞かせ、これは己の忍耐力を試されているんだと思う事にして、邪念を振り払いしばしの時間葛藤した。

それでも莉子の寝顔に癒されいつしか深い眠りに着いていた。


翌朝、意外にも頭がスッキリして司は目が覚める。

遠慮して隅っこに寝ていた莉子は、いつの間にか直ぐ隣にいて可愛い寝顔を見せてくれている。

彼女が目覚めるまで横にいようと決め、しばしその寝顔を堪能する。

昨日は彼女のいろいろな顔を見れた。
グンと近づけた気はしている。このまま隣にいる事に慣れてくれたらいいなと思う。

外は風の音もなく良い天気だ。

天気にも恵まれると、見えない力に祝福されてる気にらなってきるから不思議だ。

そんな司の浮かれた気持ちを知る由も無く、莉子は未だに夢の中。

いつも同じくらいに目が覚めると言っていたから、そろそろ目覚める頃だろうと、じっと莉子を見つめ続けていた。

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