冷酷な御曹司は虐げられた元令嬢に純愛を乞う
その様子を足元からじっと見上げていた司は、自分の鼓動が早くなるのを感じる。
「そんな顔をされると困る。こっちは触れたいのを必死で我慢しているんだ。」
莉子の両手をそっと剥がして、真っ赤に染まった頬に触れ、懇願するように見つめてくる。
「…我慢なんて、しなくても…私は、貴方のものですから…。」
「…言っている意味が分かっているのか?」
今度は咎めるような目線を投げかけてくる。
意味…?
莉子は目線を逸らし、その意味を考えようとする。
不意に両頬を抑えられ、強制的に目を合わせられる。
ドキンドキンと脈打つ心拍がきっと、その手から伝わってしまうのではないかと、莉子はどうしようもない気持ちに追い込まれる。
コツンと額と額を合わせそのままの状態で、司は何かに耐えるように嵐が過ぎ去るのを待っている。
「…我慢なんて、されなくても…。」
呟いたその瞬間、
熱い唇が貪るように押し当てられる。
莉子は心臓を鷲掴みされたような衝撃に耐えながら、この人の為ならどんな事でも耐えられると、何をされても怖くないと思ってしまう。
「愛している。莉子の全てを俺にくれないか?」
降り注ぐ口付けで息も絶え絶えの莉子だけど、気持ちに答えたいと、必死に腕を伸ばして抱きついてみる。
それが引き金となったのか、口付けは深いものに変わり、舌が絡み取られ呼吸すらも上手く出来ずに息が乱れていく。
司の熱い手のひらが、莉子の真っ白な太ももに触れる。
段々と下に降りて来る口付けを首筋に感じ、莉子はビクッと身体を揺らす。
「あっ……。」
どうしようも無く声が漏れて、お腹の奥がキュンとする。
恥ずかしさで消えてしまいたい気持ちと、離れたく無い気持ちが交互に押し寄せて、頭の芯に靄がかかる。
いつの間にか下ろされていた背中のチャックから、はだけていく胸元に恥じらいを感じながら、止める事も出来なくて、司に感情の全てを呑み込まれる感覚を覚える。
「つ、司さん…。」
喘ぐように紡いだ莉子の言葉に司が反応して、ピタリと動きが止まる。
荒くなった息をはぁーと吐きながら、突然の静寂に狼狽える。
「…こんな所で…して良い事では無かった。」
司から反省したような沈んだ言葉が漏れ出るから、
「ち、違うんです…。
決して嫌では無くて…ただ、出来れば湯浴みを…汗もかいていますし…その、出来るだけ…綺麗な自分でいたいと言うか…。」
回らない頭でそれでも必至に言葉を紡ぐ。
ぎゅっと抱きしめられて、いつの間にかソファに押し倒されていた事に莉子は気付く。
大きな背中に抱きつきながら、必死で耐えている司を可愛らしいと思ってしまうほど愛おしくて…。
司のサラサラした髪を撫でてみる。
「こんな俺を…許してくれるのか?」
「許すも許さないも…夫婦ですから…何も間違った事では…ない訳で…。」
「莉子が欲しいと…言ってもいいか?」
「…もう既に…私は貴方のものだと、思っていたのですが…。」
「莉子の心は…ここに在るのか?」
莉子は一瞬意味が分からず気をくれするが、これは自分の気持ちを伝えるチャンスは今だと気付き、
「…お慕い、申し上げております。…もうずっと前から…。」
ガバッと起き上がった司が、信じられないものを見るように莉子を見てくる。
「本当か⁉︎」
莉子は、戸惑いながらもこくんと頷く。
本当は…司が告白してくれた時に、ちゃんと自分の気持ちを言えば良かったと、ずっと後悔していた。
だけどその後は、タイミングが分からなくて、恥ずかしくて、面と向かうと怖気付いてしまっていた。
「そんな顔をされると困る。こっちは触れたいのを必死で我慢しているんだ。」
莉子の両手をそっと剥がして、真っ赤に染まった頬に触れ、懇願するように見つめてくる。
「…我慢なんて、しなくても…私は、貴方のものですから…。」
「…言っている意味が分かっているのか?」
今度は咎めるような目線を投げかけてくる。
意味…?
莉子は目線を逸らし、その意味を考えようとする。
不意に両頬を抑えられ、強制的に目を合わせられる。
ドキンドキンと脈打つ心拍がきっと、その手から伝わってしまうのではないかと、莉子はどうしようもない気持ちに追い込まれる。
コツンと額と額を合わせそのままの状態で、司は何かに耐えるように嵐が過ぎ去るのを待っている。
「…我慢なんて、されなくても…。」
呟いたその瞬間、
熱い唇が貪るように押し当てられる。
莉子は心臓を鷲掴みされたような衝撃に耐えながら、この人の為ならどんな事でも耐えられると、何をされても怖くないと思ってしまう。
「愛している。莉子の全てを俺にくれないか?」
降り注ぐ口付けで息も絶え絶えの莉子だけど、気持ちに答えたいと、必死に腕を伸ばして抱きついてみる。
それが引き金となったのか、口付けは深いものに変わり、舌が絡み取られ呼吸すらも上手く出来ずに息が乱れていく。
司の熱い手のひらが、莉子の真っ白な太ももに触れる。
段々と下に降りて来る口付けを首筋に感じ、莉子はビクッと身体を揺らす。
「あっ……。」
どうしようも無く声が漏れて、お腹の奥がキュンとする。
恥ずかしさで消えてしまいたい気持ちと、離れたく無い気持ちが交互に押し寄せて、頭の芯に靄がかかる。
いつの間にか下ろされていた背中のチャックから、はだけていく胸元に恥じらいを感じながら、止める事も出来なくて、司に感情の全てを呑み込まれる感覚を覚える。
「つ、司さん…。」
喘ぐように紡いだ莉子の言葉に司が反応して、ピタリと動きが止まる。
荒くなった息をはぁーと吐きながら、突然の静寂に狼狽える。
「…こんな所で…して良い事では無かった。」
司から反省したような沈んだ言葉が漏れ出るから、
「ち、違うんです…。
決して嫌では無くて…ただ、出来れば湯浴みを…汗もかいていますし…その、出来るだけ…綺麗な自分でいたいと言うか…。」
回らない頭でそれでも必至に言葉を紡ぐ。
ぎゅっと抱きしめられて、いつの間にかソファに押し倒されていた事に莉子は気付く。
大きな背中に抱きつきながら、必死で耐えている司を可愛らしいと思ってしまうほど愛おしくて…。
司のサラサラした髪を撫でてみる。
「こんな俺を…許してくれるのか?」
「許すも許さないも…夫婦ですから…何も間違った事では…ない訳で…。」
「莉子が欲しいと…言ってもいいか?」
「…もう既に…私は貴方のものだと、思っていたのですが…。」
「莉子の心は…ここに在るのか?」
莉子は一瞬意味が分からず気をくれするが、これは自分の気持ちを伝えるチャンスは今だと気付き、
「…お慕い、申し上げております。…もうずっと前から…。」
ガバッと起き上がった司が、信じられないものを見るように莉子を見てくる。
「本当か⁉︎」
莉子は、戸惑いながらもこくんと頷く。
本当は…司が告白してくれた時に、ちゃんと自分の気持ちを言えば良かったと、ずっと後悔していた。
だけどその後は、タイミングが分からなくて、恥ずかしくて、面と向かうと怖気付いてしまっていた。